長沢哲夫さんの「ぼくらは地球を愛しているか 地球がぼくらを愛しているほどに」を紹介します。
なお、出典は、『足がある』(長沢哲夫、2011年、SPLASH WORDS)、p-110/111です。
ぼくらは地球を愛しているか 地球がぼくらを愛しているほどに
この小さな土の上に
この小さな緑の中に
ぶらぶら行こう
思い おだやかに
わずかな物を手に
この小さな土の上に
この小さな緑の中に
ぶらぶら行こう
心静かに
心軽やかに
水も空気も地球のもの
この血も肉も地球のもの
この息 この心も地球のもの
気をつけろ
原発でさえ地球のもの
殺しまくるミサイルも
そっと息をひきとる鳥たちも
砂漠をわたるコガネ虫たちも
雪の下に眠るネズミたちも
どかどかと走りすぎていく車たちも
ほえまくる電車たちの黄色い眼も
高層ビルを埋めつくすコンピューターたちも
銀河系の渚をころがる
青い火のかたまりの
地球のもの
ぼくらは地球を愛しているか?
地球がぼくらを愛しているほどに
この小さな土の上に
この小さな緑の中に
ぶらぶら行こう
思いおだやかに
わずかな物を手に
この小さな土の上に
この小さな緑の中に
ぶらぶら行こう
心静かに
心軽やかに
この小さな土の上に
この小さな緑の中に
(posted by Ben
10people10color)